円・丸のモチーフ

以下は、11/9〜11/16に開催された学園前アートフェスタ2019の展示中にFBに投稿した文章です。


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私の今回の展示作品に対して頂いた言葉。

「優しい」「落ち着く」「主張がなく癒される」「解放される」「励まされる」


一昨日、美術関係者の方からの「モチーフを円にする意味は何かあるのですか」というご質問をいただきました。

作品制作していくうちに、この丸のモチーフを極めたくなり、私が絵を描くことはある種の修行のような、真理の追及を求めているような、そんな気持ちを抱きながら描いていてきました。そして描き進めるうちに無の境地に達する...


では、丸や円の持つ意味とは何か。いままで生きた来た経験の中から漠然としたイメージを持つだけではなく、円が主要な部分を占める作品であるならば、そこを明確にする必要があるのだろうと思います。


以下、『曼陀羅に見る「円」と「丸」の美』から一部抜粋


「丸い図形に囲まれている、私達の人生です。


朝一番には、丸く輝く太陽の光からエネルギーを得ることになります。

夜になれば、月が真っ暗闇をほのかに照らしてくれますよね。


このリズムは、この世に文明が発達していなかった頃から存在します。生きとし生けるものは、このリズムを大切に生きていたのです。


〜途中省略〜


1 丸と丸いと球の形の意味

これは、その形状から、球体(立体)かもしくは粒状のものというものになります。また、「丸ごと・・」とよく言うように、全部とか完全という意味もあります。

さらに「丸く収める」「心を丸く・・」などのように、角がない状態を表します。


2 円という表現とその意味

円は、丸に対して平面的な円の形を表す意味があります。

また、「円満」という表現をするように、心穏やかな様子を表す形状とも言えます。

こちらは、円天井や円窓、そして円柱など、建物に使われる円を表すことが多いのも、一つの特徴です。


3 輪という形とその意味

輪というと何を思い浮かべますか?

車のタイヤかもしれませんし、自転車の車輪かもしれません。

または、相撲の土俵だったり・・


このかたちには、古よりの深い意味があるのです。それは。十字や卍字などと一緒に、呪術や宗教的な象徴とされていました。


車輪というものが発明される前にも、旧石器時代の洞窟にも描かれているのです。

ヨーロッパで出土された、新石器時代の女神像にも印されています。


日輪というものがありますが、この意味は、生命・宇宙・完全・光明・永遠・循環などの象徴になります。


インドやチベットのもので、鈴のついた輪や祈りや文の入った輪胴を回して、幸運を得るためのものが存在しています。


〜途中省略〜


5 曼荼羅にある美しさは円と丸にある

曼荼羅は美しいと感じるものです。

そして、そこには円が図として表されています。


しかし、円だから美しいかといえば、それだけではないのです。そこには、「上下左右対称」という共通点があります。


人は、左右対称なものを見ると美しいと感じ、良い気分になり、安定するのです。


〜途中省略〜


6 まとめ

円と丸、そして輪という形状は、今ここで意識するよりも、ずーっと前に、それも石器時代から尊い形として、見られ、身につけられ、人の暮らしと共にありました。


この形を、現代人が見ても美しいと感じ、心落ち着くのは、古の人々のDNAが引き継がれているからなのかもしれません。


私たちは、美しく完全なる宇宙の中の地球に生まれました。

ですから、どの人も美しい存在になっているはずなのです。」


今回展示をしている作品に対して評してくださった感想とリンクしていたので、できるだけ客観的事項や史実に基づいた部分のみを抜粋しました。


今後も私が細かな装飾を施した丸のモチーフで紙面を埋めている理由を明確化し、自分が表現しているもの、自分の作品に責任を持ちたいと思います。