アマン京都の納品を終えて

本日、無事にアマン京都へ掛軸に仕立てた客室用の作品29幅を納品しました。

2年前にこのプロジェクトのお話を頂き、実に2年の歳月を経てようやく迎えた記念すべき今日の日です。

最初にこのお話をいただいた時、アマンホテル、それも京都における掛軸のお仕事、私一人では心許なく表具師の村山秀紀さんにご相談させていただきました。この湿度の高い日本において一年中掛軸を掛けたままにするのは無理があるとのご指摘を頂いて(本来掛軸はお客様をお迎えする時、または季節や行事ごとに出してしまうもので掛けっぱなしにすると湿気で変形してしまうため)、杉の板で掛軸に仕立てるご提案をしていただきました。それをプロジェクトチームに伝え幾度となくやり取りを繰り返しましたが、なかなかお互いの意図が伝わらずで硬直状態に。

それが動いたのが昨年の秋でした。新しく就任された総支配人の計らいで、バリ在住のアマンホテル創業以来ホテルのアート作品をすべて手掛けてこられたアートディレクターにお会いする機会を頂いたのです。その方は京都のONE AND ONLYさんの個展で私の作品に気をとめてくださった女性で、掛軸に仕立てた作品を実際に客室に掛けたところをご覧頂き、その場でハグをして、その後正式に発注を頂きました。そして今日を迎え、総支配人から掛軸がアマンのイメージ・理念に完全に合致しているとのお言葉を頂いて、ようやく安心することができました。


今回も本当にたくさんのお力と助けを頂戴しました。

ニューヨークに引き続き通訳してくれた香織さんを初め、私の作品を気に入ってくださったアートディレクターのラティーナさん、迅速にご対応くださった総支配人の柴田さん、ラティーナさんとのご縁を繋げて頂いたONE AND ONLYの河合さんご夫婦、そして京都の土地に合った掛軸のご提案をしていただき今回も細部まで美しく仕立てくださった村山さんに心から感謝しています。